■「第二のシリコンバレー」と謡われるカリフォルニア州アーバイン市に本社を置くGIACは、北米最大のECUチューナーです。GIACの開発チームは、独自開発の解析・編集・書き換えハード&ソフト、自社開発のロガー、多数のエミュレーター、最新のデバッガーやスコープを採用して最も難解なチューニングに挑んでいます。R&D施設内ではマスタング製の4輪ダイナモを用いてソフトウェアを開発しています。
■近年のECUチューニングにおける解析および開発の手法は、大きく2つに分類することが可能です。手法の違いにより、最終的な製品の走行性能を大きく影響します。
■ここ数年、爆発的に市場に現れ始めたのは「サードパーティ製品」に分類されるものです。これらのチューニングツール及びプログラムは、基本的には誰でも簡単に購入可能であり、3Dなグラフィカル的な表現、もしくはブラウズベースのインタフェースを介してパフォーマンステーブルの操作を可能にする製品です。場合によっては購入元より多少のガイダンスも得られ、各種パラメーターが易しく翻訳されているので、エンドユーザーが遊び感覚で始められるものです。パラメーターの微調整により表面的な出力向上は見込めるものの、プログラム領域の比較的浅いところまでしかアクセスできません。
■これらWindowsベースのサードパーティ製トランスレータ式チューニングツールは、非常に限定的な見解に基づいて変更していると言えます。ECU内の単一パラメーターのみを表す点火時期や空燃比のテーブルもしくは3Dグラフは、実際のエンジン動作や機能にどの程度の影響を与えるか正確に表わすことはできません。当然プログラミング領域のデータを変更したり、根本的な機能を操作することはできません。
■GIACはECUメーカーのボッシュやシーマンス同様、OEM的なアプローチでパフォーマンスチューニングをおこなっています。このレベルに到達するには、実際にチューニングをおこなう企業が、プログラミングツールの開発もおこなえるだけのリソースと技術力を要します。ECUメーカーと同じ言語でプログラミングを理解し修正しているので、ネイティブな環境でのチューニングが可能となります。
■ドイツ車のECUオペレーティングシステムは、複数レベルで動作条件およびデータベース上データの相互参照を繰り返し、非常に洗練されたコマンドソフトウェアに依存しています。前途のとおり、GIACプログラミングソフトウェアはボッシュ等と同じネイティブ環境で動作しているので、任意でこれらすべてのテーブルとそれらの相互関係を変更・調整することが可能です。サードパーティ製品よりも圧倒的に多くのパラメーター変更が可能となり、非常にスムーズで乗り易く、奥深いプログラミングを施したECUソフトウェアの提供が可能となります。
■GIACでは、この様な卓越したチューニング手法に加え、ソフトウェアと回路設計の専門知識、長年の経験から培ったノウハウ、そして豊富なパイプラインを用いてチューニングの幅広いソリューションを提供することができます。
■ GIACは新しいプラットフォームに着手する際、開発の各工程で数多くのテストをおこないます。
■ まずは現車を用いてシャシーダイナモと実走行のテストを繰り返しおこない、データを最適化していきますが、このデータがすぐに商品化されることはありません。どんなに優れたチューナーを持ってしても、それらテストで得た結果は短期的で限定的なものにしか過ぎず、気温や湿度やガソリンオクタン価など環境の違い、車両の個体差、またはモディファイ過程の相違など、様々な条件が走行性能に影響を及ぼし、長期的には不具合が発生するリスクも考えられます。
■ そこでGIACでは、トラブルシュートの過程として、世界のディーラーネットワークを通じて数名のベータテスターを募集し長期間の公道テストを実地します。同時に、車種によっては提携レースチームにもデータを提供し、過酷な条件化でのテストもおこないます。テスターのフィードバックを加味しながら必要に応じてデータに手を加えていきます。
■ このような開発テストのプロセスは、自動車メーカーが新型車リリース前におこなう開発テストと同水準です。当然、ここまで成熟したセッティングを求めるには、膨大なリソースと知識と時間を要しますが、「Factory Smooth」の企業理念に沿って、一切の妥協を許しません。
■ こうして出来上がったデータは、世界中のユーザーの車両にインストールされ、圧倒的なパフォーマンスと共に、類い稀なる信頼性と安定性を発揮いたします。
TUNING IS AN ART
Garrett Integrated Automotive Corp