Profile of Haldex Performance
スウェーデンのHALDEX AB社は世界の自動車産業に革新的なソリューションを提供し続けているグローバルな企業です。Haldex Traction部門の4輪駆動システムが一般的には有名であり、1998年から今日まで累計200万個以上ものAWDカップリングを開発供給してきています。

Haldexのフルタイム4輪駆動システムは、フォルクスワーゲンやアウディにおいては前輪のトラクションロスを検知するとエンジントルクをリアに配分するオンデマンド式の構造となっています。また、ECUからエンジンの回転数やスロットル開度、そしてABSやESPユニットからはホイールの回転速度、ブレーキ入力情報、加速Gセンサー、操舵角センサ,ヨーセンサなどCANシステム上の全ての電気情報を連続的にモニターし解析することにより、プロアクティヴに路面状況や運転状況を予測し反応するようプログラムされています。よって、トラクションが失われる前に瞬時にスタビリティを得られるデバイスとなっています。

駆動制御としては画期的な技術で、非常に優れています。市販車の世界最高速記録(431km/h)を樹立したことで知られるブガッティ ヴェイロンがHaldex 4輪駆動システムを採用したことで、ズバ抜けたパフォーマンスポテンシャルとスタビリティの高さを実証しています。
Haldex LSC の進化の経緯
第一世代(Gen1)のハルデックスLSC(Limited Slip Coupling)はハルデックスグループの特許技術に基づき1998年にGolf 4motionに初めて採用されました。Gen 1のハルデックスLSCは駆動軸と前後ホイールの回転差を感知し、回転数差が生じたとき(タイヤが空転したときなど)に油圧ポンプを作動させ油圧にて湿式多板クラッチを介してリアに駆動を送ります。また、CANシステム上の情報を元に電気的に可変バルブを操作し未然にトラクションロスを防ぐことができます。

2002年からは第二世代(Gen2)が採用され始めます。Gen1と同様の油圧ポンプに加え、小さな電気ポンプを併用し油圧システムをプリチャージしています。これによりカップリングの伝達速度をGen1より大幅に向上させることに成功しています。

2007年からは第四世代(Gen4)が採用されています。リアへのトルク伝達効率を更に向上させる為、前後アクスルの回転差で作動する油圧ポンプシステムを完全に廃止しています。油圧供給は別体の電気式ポンプのみで行い、蓄圧器とバルブを介してクラッチを制御しています。
Haldex Performance Parts
Haldex Performance Parts は、AudiやVolkswagenの認可のもとで、メーカーのエンジニアと共同開発されている正真正銘のメーカーチューンドパーツです。純正Haldexコントロールユニットと同じ工場で徹底した品質管理が図られ製造されています。